ハンドリングは軽快で加速も鋭い

【Xスポーツ譲りの電動バイク】eパルクーラーってナンダ!? BMW「CE 02」をリスボンで体験してみた!の画像一覧

BMWモトラッドが一風変わったEV二輪車を発売します。製品化されている電動バイクは、まだ大半が小型コミューターであるなか、高速道路も走行ができる軽二輪登録となるだけでなく、見た目やコンセプトからして既存モデルとは大きく異なるニューモデル「CE 02」です。ポルトガル・リスボンにて、インターナショナル・メディアローンチ(報道向け国際発表試乗会)がおこなわれ、参加してきました。

都会を駆け抜ける新ジャンル

生誕100周年を2023年に迎え、今年から再び新たな時代を切り拓くBMWモトラッド生誕100周年を2023年に迎え、今年(2024年)から再び新たな時代を切り拓くBMWモトラッド。写真左がニューモデル「CE 02」、右は2022年に発売された「CE04」。

今年最初にリリースする新型車「CE 02」は、パワーユニットを電動化しただけでなく、次世代を予感させるまったく新しい乗り物「eParkourer」(eパルクーラー)」であると、開発責任者は教えてくれます。

パルクールは第一次世界大戦のとき、フランス軍でトレーニングとして発祥されましたが、いまアーバンスポーツとして若者たちに脚光を浴びています。都会の建造物やストリート、公園にてアクロバットなボディアクションを繰り出しつつ障害物を乗り越える移動競技で、オリンピック種目の候補にもなっているのです。

0→50km/hにわずか3秒で到達する加速性能を持つそんなエクストリーム競技をイメージし、開発・設計されているのが「CE 02」です。BMXをそのまま大きくしたかのようなストリートカルチャーに馴染むスタイルで、シートはスケートボードのように真っ平ら。ステップもダイナミックなアクションやトリックができるかのように、太く丸いペグが前後に備わり、ライディングポジションも自由度の高いものとなっています。

スマートフォンとの親和性バツグン

ハンドル周りにスマートフォンをセットするのが前提で、ステーや充電のためのUSB Cポートを予め装備ハンドル周りにスマートフォンをセットするのが前提で、ステーや充電のためのUSB Cポートを予め装備。3.5インチマイクロTFTディスプレイのメーターと収まり良く並び、モバイルフォンが備わっていないと寂しく感じるコックピットにデザインされていることがわかります。既存のバイクにありがちな、スマホステーの後付け感や異物感がまったくありません。

BMW Motorrad Connected アプリで、ナビゲーションやバッテリー残量、航続可能距離などが表示可能スマホと車体はBluetooth接続によってリンクされ、BMW Motorrad Connected アプリで、ナビゲーションやバッテリー残量、航続可能距離などが表示可能となります。

スマホはタッチパネルだけでなく、グローブをはめた手でも操作ができるようハンドル側のスイッチでもアプリを動かせるスマホはタッチパネルだけでなく、グローブをはめた手でも操作ができるようハンドル側のスイッチでもアプリを動かせるから便利です。

掟破り!自由度高い乗車姿勢

シート高は750mmと低く、足つき性に優れます車体サイズはスクーターより大きく、フルサイズのスポーツバイクよりひと回り小さい。シート高は750mmと低く、足つき性に優れます。試乗車にはクッションの厚みを10mmプラスしたコンフォートシートが備わっていましたが、それでも写真の通り、身長175cm/体重66kgのライダーだと両足がカカトまで地面にベッタリと届きます。

ステップの使い方は常識を覆すもの多岐にわたる新提案ですが、ステップの使い方もそのうちのひとつで常識を覆すものです。テストライドにも同行してくれた開発責任者は、ソロ走行時、前後のフットペグはどちらを使ってもいいと言うのです。

車体サイズはスクーターより大きく、フルサイズのスポーツバイクよりひと回り小さいリラックスしてゆったりと走るならフォワードコントロール、積極的なスポーツ走行ならバックステップとして、パッセンジャー用のペグに足を置くことを想定しているのでした。公式プロモーション動画や映像を見ても、ライダーはシーンによってペグを使い分けています。これもまたBMX感覚と言えるもの。

前方がせり上がったシートのおかげで、ライダーはニーグリップができ、身体をしっかりとホールドできますフラットなシートは前後移動がしやすく、アップハンドルによってゆったりとした乗車姿勢を生み出します。気軽に、フレンドリーに乗れるのです。

侮れない走破力の持ち主

スリッピーな路面でも「CE 02」は頼もしく走破リスボンの旧市街には、石畳のガタガタ道が数多く残ります。トラムの線路も敷かれ、スリッピーですが、「CE 02」は頼もしく走破するではありませんか。小径ホイールではハンドルをとられますが、前後14インチの太いタイヤを履き、前後サスペンションは衝撃を受けても踏ん張りが効きます。

インナーチューブ径37mmの倒立式フロントフォーク。アウターチューブはゴールド仕上げインナーチューブ径37mmの倒立式フロントフォークは、アウターチューブがゴールドに仕上げられ、見た目に立派なだけでなく、129mmのストローク量を持ち、しなやかに動きますし、239mmフローティングディスクで制動力も充分なものでした。

ハンドリングは軽快で加速も鋭いハンドリングは軽快ですし、加速も鋭い。前方がせり上がったシートのおかげで、ライダーはニーグリップができ、身体をしっかりとホールドできます。車体重量は132kgしかなく、最高出力は11kw(15PS)、最大トルク55Nmで、0→50km/hにわずか3秒で到達する加速性能を持ちます。ストップ&ゴーを繰り返す都会は、もっとも得意とするところで、トラクションコントロールによって、右手のスロットル操作が乱暴であっても駆動輪の空転は感じさせません。

ライダーモードが3つあり、「FLOW」は穏やか、「SURF」は中間的、「FLASH」に設定するとダイレクトで強力なスロットルレスポンスとなります。エンブレの役割を果たす、回生ブレーキの効き具合もそれぞれで異なります。

バッテリーは脱着式ではなく、家庭用100V電源にて専用のクイックチャージャーを用いて140分で80%、210分で100%のフル充電が可能バッテリーは脱着式ではなく、家庭用100V電源にて専用のクイックチャージャーを用いて140分で80%、210分で100%のフル充電が可能。コネクターも専用で、航続可能距離は95km(WMTCモード)となっています。

見た目やコンセプトからして既存モデルとは大きく異なるニューモデルBMW CE 02リスボンの狭い路地で機動力を存分に発揮した「CE 02」は、日本導入が秒読みなのも間違いありません。都会を無音でスマートに走る姿は、日本の若者たちからも注目を浴びそうです。

BMW CE 02 価格:未定
全長×全幅×全高(mm):2110×785×1110 
シート高(mm):750+10
車重(kg):132
最高出力(kW):11
最大トルク(Nm):55
定格出力(kW):6
バッテリー:空冷リチウムイオン高電圧バッテリー48V
最高速度(km/h):95
航続距離(km):90[WMTCモード値]
タイヤサイズ前/後:120/80-14/150/70-14

取材・文/青木タカオ 写真提供/BMWモトラッド